先天性食道閉鎖症/気管食道瘻(読み)せんてんせいしょうどうへいさしょうきかんしょくどうろう(英語表記)Congenital Esophageal Atresia / Tracheoesophageal Fistula

家庭医学館 の解説

せんてんせいしょうどうへいさしょうきかんしょくどうろう【先天性食道閉鎖症/気管食道瘻 Congenital Esophageal Atresia / Tracheoesophageal Fistula】

[どんな病気か]
 食道が途中でとぎれていて、その先端が閉じて(閉鎖(へいさ))、袋のようになっていたり(盲端(もうたん))、気管とつながっている(瘻(ろう))、形態異常です。
 いろいろな形がありますが(図「食道閉鎖/気管食道瘻の分類」)、胃の側の食道が気管とつながっているC型が80~90%を占めます。
[症状]
 唾液(だえき)を飲み込めず気管に入るため、生まれた直後から、口から泡をふいているのが特徴です。哺乳(ほにゅう)させると呼吸困難、チアノーゼなどが出現します。
[検査と診断]
 栄養チューブを鼻から胃まで挿入(そうにゅう)する検査で、チューブが胃まで届かず、Uターンして戻ってくるのでわかります(コイルアップ現象)。
 E型は、このコイルアップ現象がみられないために、発見が遅れることもあります。
[治療]
 食道と気管を切り離し、とぎれた上下の食道をつなぎます。上下の食道が離れていてすぐにつなげない場合は、一時的に気管と切り離し、胃瘻(いろう)をつくってそこからミルクを注入し、後に代用食道(小腸(しょうちょう)や結腸(けっちょう)の一部)を使ったり、食道延長術を行なってからつなぎます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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