光ビート(読み)ヒカリビート

化学辞典 第2版 「光ビート」の解説

光ビート
ヒカリビート
optical beat

光の検出器にわずかに振動数の異なった ν1ν2 の光が入射したとき,検出器の出力に現れる ν1ν2 の差の振動数をもつうなりのこと.光電管フォトダイオードなど光の検出器(ラジオ波などの検波器に相当する)は特性として光の強度(入射光子数),すなわち光の電場の2乗に比例する出力を示すが,この結果,入射する ν1ν2 の振動数をもつ光の振動数の差|ν1ν2|の振動数をもつ出力成分を示す.|ν1ν2|が検出器の周波数応答に比べて大きいときには出力として現れないが,|ν1ν2|が小さくなり,検出器の周波数応答の範囲内になると出力として現れる.それゆえ,光ビートによる測定ν1ν2 がごく近いとき,すなわちレーザーがごく近接したいくつかの振動数で発振しているときや,ブリルアン散乱光と入射光の場合などに用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の光ビートの言及

【光混合】より

…ν1=ν2となる和周波混合の極限は光第2高調波発生である。また,周波数がきわめて近い二つの入射光ν12を用いた場合の差周波混合(ν≪ν1,ν2)を光ビートといい,とくに差周波の出力がν=0(直流),または低周波の電気信号となる場合を光整流という。一方,二つの入射光の一つを低周波の電気信号に置き換えた場合(ν1≫ν2)の光混合は電気光学効果と呼ばれる。…

※「光ビート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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