兪良甫(読み)ゆりょうほ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「兪良甫」の意味・わかりやすい解説

兪良甫
ゆりょうほ

生没年未詳。中国、福建の人で、南北朝時代集団で来朝した明(みん)人刻工の一人。京都の嵯峨(さが)に住み、1370年(建徳1・応安3)から95年(応永2)の間に、多数の禅籍・漢籍開版に従事し、いわゆる五山版を出版、わが国の印刷文化発展に大きな功績を残した。なお『月江和尚(げっこうおしょう)語録』(1370)、『新刊五百家註(ちゅう)音辯唐柳(おんべんとうりゅう)先生文集』(1387)など、兪良甫自ら刊行したものは、とくに「兪良甫版」と称され、珍重されている。

[金子和正]


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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「兪良甫」の解説

兪良甫 ゆ-りょうほ

?-? 南北朝時代の印刷彫工。
中国福建の人。元(げん)末の混乱をさけて来日し,京都嵯峨(さが)にすむ。応安3=建徳元年(1370)刊の「月江和尚語録」など,五山版の禅籍,漢籍の木版出版に従事した。

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