八幡(岐阜県)(読み)はちまん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「八幡(岐阜県)」の意味・わかりやすい解説

八幡(岐阜県)
はちまん

岐阜県中西部、郡上郡(ぐじょうぐん)にあった旧町名(八幡町(ちょう))。現在は郡上市の中央から南部を占める一地域。郡上八幡ともいう。1889年(明治22)町制施行。1954年(昭和29)川合(かわあい)、相生(あいおい)、口明方(くちみょうがた)、西和良(にしわら)の4村と合併。2004年(平成16)大和(やまと)、白鳥(しろとり)の2町、高鷲(たかす)、美並(みなみ)、明宝(めいほう)、和良(わら)の4村と合併、市制施行して郡上市となる。旧八幡町は、東は下呂(げろ)、南は美濃(みの)・関・岐阜、北東は高山の各市、北は白川村・福井県へ通じる交通路が開けた、観光、商業の町である。長良川鉄道(ながらがわてつどう)と国道156号、256号、472号、東海北陸自動車道が通じ、郡上八幡インターチェンジがある。おもな町並みは、郡上藩城下町に由来し、長良川と支流吉田川の合流点に発達している。木製玩具の産地として有名。名水として知られる宗祇(そうぎ)水は、室町時代の連歌師飯尾宗祇が愛用したことにちなんでつけられた名称で、名水百選に選定されている。有名な郡上踊(国指定重要無形民俗文化財)は、7~9月の33夜を川崎・春駒(はるこま)・三百など10種類の郡上節にあわせて踊られる。殿町には、旧八幡町の歴史や郡上踊を紹介する「郡上八幡博覧館」がある。また、1969年(昭和44)に安久田(あくだ)で発見された大滝鍾乳洞(しょうにゅうどう)には多く観光客が訪れる。近くに、縄文時代の住居跡が発見された縄文洞もある。

[上島正徳]

『太田成和著『郡上八幡町史』全2巻(1960~1961・八幡町)』『『郡上八幡町史 史料編』全6巻・補遺巻(1985~2004・八幡町)』


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