典礼(キリスト教)(読み)てんれい(英語表記)liturgy

翻訳|liturgy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「典礼(キリスト教)」の意味・わかりやすい解説

典礼(キリスト教)
てんれい
liturgy

キリスト教の教会で司祭によって公に行われる礼拝儀式のことである。語源はラテン語のリトゥルギアliturgia。典礼は神を崇(あが)め、人々のために神の祝福と恵みを求めるために行われるが、典礼にあずかる信者が同一の信仰を確認しあい、連帯心を強める効果をももっている。典礼は、カトリック教会、東方正教会、ルター派、改革派教会などによって、それぞれ公認された典礼書の指針にのっとって行われ、典礼書には祈り、賛美歌、聖書朗読の箇所などが記され、司式者と奉仕者のなすべきことが定められている。カトリック教会では、第二バチカン公会議(1962~63)で「典礼憲章」が決定されて、伝統的な典礼用語や作法などが大幅に改革された。バチカン聖庁には全世界のカトリック教会の典礼の実施を指導・監督する典礼省が置かれている。教会典礼のもっとも重要なものは「聖体祭儀」(ミサ聖祭)である。

[安齋 伸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android