凍付(読み)こおりつく

精選版 日本国語大辞典 「凍付」の意味・読み・例文・類語

こおり‐つ・く こほり‥【凍付】

〘自カ五(四)〙
液体などがこおって固まる。また、湿気のある物がこおってくっつく。
咄本・鹿の子餠(1772)小便「雨戸明にかかった所、氷(コホリ)ついて、いかな事明かず」
緊張恐怖、ショックなどのために体がすくむ。また、ぞっとして心がかたくこわばる。
※今年竹(1919‐27)〈里見弴〉片輪な子「頭から冷水をあびせかけられたやうに、春代の躯は、そのまま凍りついて動かなくなって了った」
③ 動きがぴたりと止まる。
昇天(1923)〈十一谷義三郎〉三「ぢっとひとつ処を見つめた視線が、そのままそこに凍りついてしまふ」

しみ‐つ・く【凍付】

〘自カ五(四)〙 ものにこおりつく。こおりついてかたくなる。
壬二集(1237‐45)「ささの葉にしみつく霜の夜をへてはみやまもさやに衣うつなり」
風立ちぬ(1936‐38)〈堀辰雄〉死のかげの谷「もう谷かげの雪はこちこちに凍(シ)みついてしまってゐた」

いて‐つ・く【凍付】

〘自カ五(四)〙 すっかり凍ってしまう。凍りつく。《季・冬》
※室町殿日記(1602頃)九「大河五百舟千石船いてつきてちっとも不動」

こごえ‐つ・く【凍付】

〘自カ(五)四〙 こごえて動かなくなる。こおりつく。
※浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)下「手さへなみだにこごゑつき」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android