精選版 日本国語大辞典 「切掛・切懸」の意味・読み・例文・類語
きり‐かけ【切掛・切懸】
〘名〙
① 切る動作を途中まですること。また、そのもの。
② 羽目板の一種。横板を羽重ねに張ったもの。
※大和(947‐957頃)四三「坊にしけるところのまへに、きりかけをなむせさせける」
③ 衝立(ついたて)の一つ。室内に置いて目かくしや仕切りにする家具。立て切り掛け。
※今昔(1120頃)二四「着ける賤の水旱の綻の絶たりけるを脱て、切懸より投越して」
※田名部海辺諸湊御定目(1781)諸湊地他着船御役付「北国船〈略〉腹は丁板之端揃にて切懸につき付」
⑦ 魚などを包丁で調理する方法の一つ。〔当流節用料理大全(1714)〕
きり‐か・ける【切掛・切懸】
[1] 〘自カ下一〙 きりか・く 〘自カ下二〙 刀をふりあげて切りつけようとする。切りかかる。
※虎明本狂言・二人大名(室町末‐近世初)「『おこしよかおこすまひか』きりかくる」
[2] 〘他カ下一〙 きりか・く 〘他カ下二〙
① 切りはじめる。
② 切ったものを他のものの上へかける。
③ 首を切って獄門にかける。さらし首にする。
※平家(13C前)九「能登殿、防矢射ける兵物(つはもの)ども二百余人が頸きりかけて福原へこそ参られけれ」
④ 川の堤などを切り崩して、水を流し入れる。
※玉塵抄(1563)二七「土をつきまわいた中え別の物をふせいで水ばかりをきりかけてたむるぞ」
※大乗院寺社雑事記‐長祿四年(1460)閏九月二二日「於二当方坊地一被レ切二懸地口一之由注進候」
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