利別川(読み)トシベツガワ

デジタル大辞泉 「利別川」の意味・読み・例文・類語

としべつ‐がわ〔‐がは〕【利別川】

北海道南東部を流れる川。石狩山地南東にある標高1230メートルの東三国山に源を発し、豊頃町十勝川に合流する。長さ150キロ。

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日本歴史地名大系 「利別川」の解説

利別川
としべつがわ

十勝支庁管内北東部を流れる十勝川水系の一級河川。流路延長一四九・八キロ(うち指定区間一二八・四キロ)、流域面積二七五二・二平方キロ。十勝地方と網走地方との境界をなす石狩山地東端部、足寄あしよろ陸別りくべつ町と網走支庁管内常呂ところ置戸おけと町・訓子府くんねつぷ町の境の分水嶺水源として、足寄郡陸別町・足寄町、中川なかがわ本別ほんべつ町・池田いけだ町を南へ流れ、向きを南西に転じて流下し、同郡豊頃とよころ町北端で十勝川に合流する。この間、上流側から勲禰別くんねべつ川・陸別川・斗満とまむ川・足寄川美里別びりべつ川・本別川・居辺おりべ川・十弗とおふつ川などが合流する。一八〇〇年前後の十勝川流域絵図(近藤重蔵蝦夷地関係史料)に「トシベツ川」とあり、川筋と流域のアイヌコタンや農作状況が詳細に記されている。板本「東蝦夷日誌」に「当川第一支流、幅四十間余、深し」で、トシベツフト(当時の十勝川との合流点辺り、現池田町)については「此辺に来るや、流も遂々遅流になり、土地も平地、川筋には雑樹陰森たり」とある。

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改訂新版 世界大百科事典 「利別川」の意味・わかりやすい解説

利別川 (としべつがわ)

北海道北東部を流れる十勝川最大の支流。十勝利別川ともいう。石狩山地東部,十勝支庁陸別町と北接する常呂(ところ)郡置戸(おけと)町との境界付近に源を発し,足寄(あしよろ),本別(ほんべつ),池田町内を蛇行しながら南流する。池田町利別からは十勝川の直線化改修工事によって分離された旧十勝川の流路を流れ,豊頃(とよころ)町で十勝川に合流する。合流点までの長さ149km,流域面積2862km2。おもな支流は勲禰別(くんねべつ)川,斗満(とまむ)川,足寄川,美利別(びりべつ)川,居辺(おりべ)川などである。河谷には河岸段丘が発達し,段丘面上は畑地,牧草地に利用されている。上流部では製材工場が多い。河谷沿いには国道242号線が走る。
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利別川 (としべつがわ)

後志(しりべし)利別川ともいう。北海道南西部,渡島(おしま)半島の中央部を流れる川。幹川流路延長80km,全流域面積720km2。渡島・檜山(ひやま)両支庁の境にある長万部(おしやまんべ)岳(973m)付近に源を発し,南流したのち西流して下ハカイマップ川,目名川などの河川を合わせ,檜山支庁せたな町の旧瀬棚町の南部で日本海に注ぐ。沿岸や支流には河岸段丘がよく発達し,段丘は酪農に利用されている。中・下流部は水の豊富な沖積地で,水田,畑作などに利用されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「利別川」の意味・わかりやすい解説

利別川
としべつがわ

北海道東部を南流して十勝川(とかちがわ)に合流する川。十勝川第一の支流。十勝総合振興局管内の陸別町とオホーツク総合振興局管内の置戸(おけと)町との境界付近の石狩山地に発し、陸別川、勲称別(くんねべつ)川などを合流し、十勝総合振興局管内の池田町で十勝川に注ぐ。河谷には段丘が発達し、畑作、酪農が行われる。

 なお、道南の渡島(おしま)半島を西流する後志利別川(しりべしとしべつがわ)も利別川とよぶことが多い。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「利別川」の意味・わかりやすい解説

利別川
としべつがわ

北海道南東部を流れる十勝川の支流。白糠丘陵の北部に源を発して南流し,足寄川,美里別川などを合わせ,豊頃町内で合流する。全長 146km。十勝川の支流で最も長い。初めは池田町利別付近で十勝川に合流していたが,1923年来の十勝川治水工事により新水路が掘られ流路が変わった。上流域は林業,中・下流域は畑作,酪農が行なわれる。

利別川
としべつがわ

北海道南西部,渡島半島狩場山地東部に源を発し,西流してせたな町で日本海へ注ぐ川。別称後志利別川 (しりべしとしべつがわ) 。全長 80km。中・下流域に河谷平野が開け,米作,酪農が行なわれる。

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