加之・加以(読み)しかのみならず

精選版 日本国語大辞典 「加之・加以」の意味・読み・例文・類語

しか‐のみ‐なら‐ず【加之・加以】

接続〙 (副詞「しか」に助詞「のみ」、助動詞「なり」「ず」が付いてできた語。古くは主として漢文訓読系の文章の中に用いられる) 先行事柄後続の事柄が添加されることを示す。そればかりでなく。その上に。かてて加えて。
※大慈恩寺三蔵法師伝院政期点(1080‐1110頃)一「性(ひととなり)、恬蕑にして栄進を務むることも無し。加(シカノミナラス)隋の政(まつりこと)衰微なるに属して遂に心を憤典に潜(かく)せり」
[補注]「続日本紀‐天平神護元年三月五日・宣命」には「ならず」が「にあらず」となっている例が見られる。「志愚かに心善からずして、天下を治むるに足らず。然乃味仁不在(しかノミニあらず)逆悪(きたな)き仲末呂と同心(こころをかは)して」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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