労・犒(読み)ねぎらう

精選版 日本国語大辞典 「労・犒」の意味・読み・例文・類語

ねぎら・う ねぎらふ【労・犒】

[1] 〘他ワ五(ハ四)〙 骨折りを慰める。苦労したことに対して感謝する。いたわる。
書紀(720)継体二四年一〇月(前田本訓)「竟に和解(ネキラフこと)無くて加羅擾乱(さわかし)つ」
太平記(14C後)二〇「孫権は弛張時有て士を労(ネギ)らひ衆を撫でしかば」
[2] 〘他ハ下二〙 (一)に同じ。
※白氏文集天永四年点(1113)四「賓を娯しはしめ士を犒(ネキラヘ)て、監軍を宴す」
[補注]室町時代ごろからヤ行にも活用。→ねぎらゆ(労)

ねぎらい ねぎらひ【労・犒】

〘名〙 (動詞「ねぎらう(労)」の連用形名詞化) いたわり、大切にすること。特に、相手労苦を慰めること。また、そのことば。
滑稽本和合人(1823‐44)初「アア喜び、過ぐれば心を傷(やぶ)り、〈略〉労(ネギラヒ)過れば脾を傷るとござりますが」
ユリアとよぶ女(1968)〈遠藤周作〉「正純にねぎらいの言葉をかけながら」

ねぎら・ゆ【労・犒】

〘他ヤ下二〙 (ハ行下二段動詞「ねぎらう(労)」から転じて、室町時代ごろから用いられた語。終止形は多く「ねぎらゆる」の形をとる) =ねぎらう(労)(二)
※尚書抄(16C前‐中)六「近比辛苦とねきらゆる也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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