労働・労動(読み)ろうどう

精選版 日本国語大辞典 「労働・労動」の意味・読み・例文・類語

ろう‐どう ラウ‥【労働・労動】

〘名〙
① からだを使って働くこと。また、からだの器官、機能などを働かせること。からだを動かすこと。
養生訓(1713)一「身体は日々少づつ労動すべし。久しく安坐すべからず」 〔魏志‐華陀伝〕
② 経済学で、人間がその生存に必要な物資を得るために、手・足・頭脳などの活動によって労働対象にはたらきかけること。精神的労働・肉体的労働・有形的労働・無形的労働・自由労働・不自由労働・独立的労働・雇用的労働・生産的労働・不生産的労働などがある。
搦手から(1915)〈長谷川如是閑〉殿さまお目ざめ「『我 労働(ラウドウ)を与へよ、然らざればパンを与へよ』と呼号せざるを得ざる無数の人間を如何に処置すべきかも重大な社会問題に相違ないが」
[語誌](1)「労動」から「労働」への表記の交替には、「労動」に「はたらく」の意味が加わったことが背景として考えられる。「働」は国字であり、中世の古辞書にすでに見える。
(2)明治一〇年(一八七七)前後に多く出版された漢語字引き類には、「労動」とするものも、「労働」とするものもあり、当時、両者が併用されていたことが確認できる。明治三〇年頃から活動が盛んになった労働運動では、「労働」を用いている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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