普及版 字通 「匠(漢字)」の読み・字形・画数・意味
匠
常用漢字 6画
[字訓] たくみ
[説文解字]
[その他]
[字形] 会意
匚(ほう)+斤(きん)。匚は(ほき)の字の金文はみなこの形に従い、そのような礼器・祭器。そのような器を製作することをいう。〔説文〕十二下に「木工なり。匚と斤とに從ふ。斤はを作る以(ゆゑん)なり」という。〔周礼、考工記〕に「匠人、國をつ」「匠人、洫(こうきょく)(水路)を爲(つく)る」とあり、国都建設のような大工事にも参加するが、字義からいえば、〔周礼、考工記〕に「攻木の工」として輪・輿・弓・廬・匠・車・梓をあげているように、斧斤を以て器物を製作するものをいう。わが国では、一道に達した専門職の者を、宗匠・師匠のようにいう。
[訓義]
1. たくみ、大工、さいくし、木工の職人。
2. かしら、棟梁、大工の頭、教える人。
3. おさめる、つくる。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕匠 タクミナリ 〔名義抄〕匠 ツヒニ・タクミ 〔立〕匠 タスク・ツヒニ・スベタル
[声系]
〔説文〕に匠声として、走部二上に「行く皃なり」とする字を収めるが、用例がない。足部二下に將(将)声の字で同じく「行く皃なり」とする字があり、ともにdziangで同声。形況の語であろう。
[語系]
匠・爿・牆dziangは同声。その声を以ていえば牆壁を作るような土木工事をも意味する語であったのであろう。
[熟語]
匠意▶・匠営▶・匠役▶・匠化▶・匠学▶・匠気▶・匠戸▶・匠工▶・匠宰▶・匠作▶・匠氏▶・匠思▶・匠師▶・匠者▶・匠手▶・匠心▶・匠人▶・匠成▶・匠世▶・匠▶・匠班▶・匠費▶
[下接語]
意匠・花匠・画匠・学匠・楽匠・軌匠・巨匠・剣匠・工匠・巧匠・甲匠・史匠・師匠・梓匠・詞匠・詩匠・酒匠・上匠・心匠・善匠・宗匠・大匠・代匠・土匠・刀匠・陶匠・番匠・筆匠・巫匠・名匠・木匠・良匠・輪匠
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報