十勝沖地震(読み)トカチオキジシン

デジタル大辞泉 「十勝沖地震」の意味・読み・例文・類語

とかちおき‐じしん〔‐ヂシン〕【十勝沖地震】

昭和27年(1952)3月4日、釧路沖を震源として発生した地震北海道南部・東北北部に被害を及ぼした。マグニチュード8.2。
昭和43年(1968)5月16日、青森県東方沖を震源として発生した地震。津波を伴った被害は青森県を中心に北海道南部・東北地方を襲った。マグニチュード7.9。
平成15年(2003)9月26日、1の地震とほぼ同じ場所を震源として発生した逆断層型プレート境界地震。北海道から東北地方の太平洋沿岸に最大約4メートルの津波が発生し、被害を及ぼした。マグニチュード8.0。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十勝沖地震」の意味・わかりやすい解説

十勝沖地震
とかちおきじしん

(1) 1952年3月4日午前10時23分頃,十勝沖から釧路沖にかけて発生した地震。マグニチュードM)8.2。震源は北緯 41°42′,東経 144°09′,深さは浅い。十勝から釧路にかけて震度 5~6の強いゆれに襲われた。津波は北海道から三陸沿岸にかけて波高が 1mをこえ,厚岸では 6.5mに達した。被害は北海道にかぎられ,死者行方不明者 33人,負傷者 287人,家屋全壊 815棟,半壊 1324棟。
(2) 1968年5月16日午前9時49分頃発生した,北海道南部から青森県にかけての沖合を震源とした M7.9の地震。気象庁による正式名称は「1968年十勝沖地震」。震源は北緯 40°44′,東経 143°35′,深さは浅い。地震によるゆれは,苫小牧が震度 6,浦河盛岡広尾函館八戸で震度 5であった。被害は 5道県で死者 50人,行方不明 2人,家屋全壊 928棟,半壊 814棟に及んだ。
(3) 2003年9月26日,釧路沖を震源として発生した M8.0の地震。気象庁による正式名称は「平成15年(2003年)十勝沖地震」。震源は北緯 41°46.7′,東経 144°04.7′,深さ42km。北海道東岸の釧路町浦河町などで最大震度 6弱のゆれになり,1mをこす津波が観測された。被害は行方不明者 2人,負傷者 849人,家屋全壊 116棟など。
これらは,太平洋プレートが日本列島の下にもぐり込む海溝型地震で,(1)と (3)はほぼ同じ場所で繰り返し発生したもの。(2)の震源域はその南側の海域である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「十勝沖地震」の意味・わかりやすい解説

十勝沖地震
とかちおきじしん

1968年(昭和43)5月16日9時04分ごろ、北海道十勝沖に発生した地震。規模はM7.9。震源の深さは0キロメートルで、太平洋プレートと大陸プレートの接触面でおきたと考えられている。津波を伴った被害は青森県を中心に北海道にまで及び、死者・行方不明52人、建物の全半壊3677で、函館(はこだて)大学の一階が圧壊した。また、鉄筋・鉄骨構造に剪断(せんだん)破壊が目だち、構造と地盤の問題が見直されるようになった。これと同じ地域での地震は1762年(宝暦12)、1856年(安政3)と、ほぼ100年間隔で発生している。

 1952年(昭和27)3月4日の地震もM8.1(震源の深さ0キロメートル)と大きいもので、津波を伴った被害は、死者・行方不明33人、全半壊家屋2100余、とくに十勝地方などの泥炭地に被害が大きかった。

[宇佐美龍夫]

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百科事典マイペディア 「十勝沖地震」の意味・わかりやすい解説

十勝沖地震【とかちおきじしん】

(1)1952年3月4日,北海道南部一帯を襲った激震。震源は東経144°6′,北緯41°48′,マグニチュード8.2。津波を伴い,家屋全壊815,半壊1324,死者・行方不明33人。(2)1968年5月16日,北海道南部〜東北北部を襲った地震。震源は東経143°21′,北緯40°26′,マグニチュード7.9,苫小牧で震度6を記録。家屋全壊673,半壊3004,死者・行方不明52人。東北地方は大雨のあとだったので山崩れの被害大。初めて海底地震計が前震をとらえた地震として著名。

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世界大百科事典(旧版)内の十勝沖地震の言及

【地震】より

…近年では1952年から73年にかけて一連の活動があり,6回の大地震によって全海域が埋まった。このうち1952年十勝沖地震(M8.2),1968年十勝沖地震(M7.9,震源域は青森県沖)の両地震はかなりの被害を伴った。北海道の内陸部は大地震は少ないが,M7.0程度までは起こる。…

※「十勝沖地震」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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