千代田化工建設(株)(読み)ちよだかこうけんせつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「千代田化工建設(株)」の意味・わかりやすい解説

千代田化工建設(株)
ちよだかこうけんせつ

代表的な総合プラントエンジニアリング会社。1948年(昭和23)、当時の三菱(みつびし)石油出身の製油所建設関係技術者らが中心となって設立。1950年代末からのエネルギー源の転換石油化学工業の発展を背景に急成長した。製油分野では1957年に浮屋根式タンク、1963年には精製集中合理化装置を設計施工して内外の評価を得、石油化学では塩ビモノマー蒸留装置、ナフサ分解装置を相次ぎ受注、30万トンエチレンプラントの建設では高いシェアを占めた。合成繊維合成樹脂、合成ゴム、化学肥料などの各種の化学プラントも手がけている。さらに1960年代末以降は排煙脱硫汚水処理等の環境保全装置の分野に力を入れているほか、原油貯蔵基地、天然ガス、食品、医薬品、原子力などの分野でも広範なエンジニアリング活動を展開、世界各国へのプラント輸出の実績も多い。しかし1990年代に行った海外受注工事で大幅な赤字を出し、経営悪化に陥った。1998年(平成10)より三菱商事東京三菱銀行(現、三菱UFJ銀行)の支援を受け、さらに1999年にはアメリカのエンジニアリング会社ケロッグ・ブラウン・アンド・ルート出資を受けて、経営建て直しを図っている。2008年(平成20)3月には三菱商事との間に資本業務提携契約を締結、同社傘下となった。資本金434億円(2018)、売上高5109億円(2018)。営業所・事業所は国内4か所、海外6か所、1研究所、関連会社は24社あまり。

[中村清司]

『千代田化工建設株式会社社史編集委員会編『千代田化工建設25年史』(1973・千代田化工建設)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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