千歳(読み)ちとせ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

千歳(菓子)
ちとせ

求肥(ぎゅうひ)を用いた加賀(石川県)の祝い菓子。京都の中島浄雲が江戸に求肥の仕法を伝えて以後、金沢の森八(もりはち)が創作した菓子で、江戸中期ごろとみられる。黒糖を使った小豆の蒸し餡(あん)の上下を紅白の求肥で押さえ、四角に切って冠婚祭の引き菓子に用いられたが、その姿が押しずしに似ているところから千歳鮓(ずし)ともよばれた。この菓子は加賀藩の藩菓にも取り上げられたが、幕末のころ、森八(もりはち)14代目の森下八左衛門は、飴(あめ)を加えた黒糖餡に改め、求肥で富士山の形にくるむ姿に改良した。一方、江戸・本郷で加賀藩御用を勤めた藤村(ふじむら)は、名代羊かんに用いる餡を求肥でくるみ、上に紅白の新びき粉をまぶす手法で江戸風の千歳を今日に伝えている。[沢 史生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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