協和キリン(株)(読み)きょうわきりん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「協和キリン(株)」の意味・わかりやすい解説

協和キリン(株)
きょうわきりん

キリングループの医薬事業を行う事業持株会社。2008年(平成20)10月協和醗酵工業子会社のキリンファーマを吸収合併し協和発酵キリンに、2019年7月には現社名に変更した。

 協和醗酵工業は、医薬品、酒類、食品などの化学会社で、発酵分野では世界トップクラスだった。1943年(昭和18)に東洋紡績、合同酒精などの共同出資で発足した東亜化学興業が前身。第二次世界大戦後改称した協和産業の第二会社として1949年(昭和24)に創立。糖蜜(とうみつ)からアセトンブタノールを、またアメリカ、メルク社から技術導入してストレプトマイシンをともに日本で初めて量産化した。1956年には発酵法によるL-グルタミン酸の生産に成功。その後、抗生物質、制癌(せいがん)剤等の医薬品を相次いで開発し、同時に、石油化学やワインにも進出し総合化を図った。2008年4月キリングループで医薬品事業会社のキリンファーマを子会社化すると同時に、キリンホールディングス傘下の製薬会社となった。主要子会社に協和医療開発、協和キリンフロンティア、協和キリン富士フイルムバイオロジクスがある。資本金267億円(2021)、売上高3522億円(2021)。

[中村清司]

『協和発酵創立50周年社史編纂委員会編纂『それからそれへ――協和発酵50年の軌跡と新世紀への礎』(2000・協和発酵工業)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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