南会津(町)(読み)みなみあいづ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「南会津(町)」の意味・わかりやすい解説

南会津(町)
みなみあいづ

福島県南西部、南会津郡にある町。2006年(平成18)南会津郡田島町(たじままち)、舘岩村(たていわむら)、伊南村(いなむら)、南郷村(なんごうむら)が合併して成立。帝釈(たいしゃく)山(2060メートル)を最高峰に越後(えちご)山系の山々に囲まれている。阿賀(あが)川(大川)が東部を、また伊南川が西部をそれぞれ北流、湯ノ岐(また)川など多くの支流が流れている。会津鉄道、野岩(やがん)鉄道が通じるほか、国道121号、289号、352号、400号、401号の5本の国道が走る。中世には長江荘、伊北(いほう)郷、伊南郷立岩郷の地。江戸時代は南山御蔵(みなみやまおくら)とよばれる幕府領や、会津藩領などであった。特別豪雪地帯に指定されている地域が多い。米作のほか、トマトなどの野菜、花卉(かき)、キノコ栽培が行われている。田島地域には自動車部品、機械工業などの工場がある。

 田島は下野(しもつけ)街道の宿駅で、幕府の代官所が置かれていた。現在も町役場の所在地であり、県の合同庁舎も設置されている。舘岩地区と南郷地区には湯ノ花温泉、木賊(とくさ)温泉や南郷スキー場などがあり、観光化が進んでいる。伊南地域の中心の古町(ふるまち)は江戸時代に沼田街道の宿駅で栄え、市も開かれた。古町温泉がある。

 大桃の舞台(おおもものぶたい)、奥会津の山村生産用具と民家は国指定重要有形民俗文化財。田島祇園祭のおとうや行事(たじまぎおんまつりのおとうやぎょうじ)は国指定重要無形民俗文化財。昭和村にまたがる駒止湿原(こまどしつげん)は国指定天然記念物。前沢は農村集落として国の重要伝統的建築物群保存地区に選定される。面積886.47平方キロメートル、人口1万4451(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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