20世紀日本人名事典 「南原 繁」の解説
南原 繁
ナンバラ シゲル
大正・昭和期の政治学者,評論家,歌人 東京大学総長;日本学士院院長。
- 生年
- 明治22(1889)年9月5日
- 没年
- 昭和49(1974)年5月19日
- 出生地
- 香川県大川郡引田町
- 別名
- 雅号=白童
- 学歴〔年〕
- 東京帝大法科大学政治学科〔大正3年〕卒
- 経歴
- 内務省に入るが、大正9年東大に戻り、10年助教授となる。3年間のヨーロッパ留学を経て、14年教授に就任。自由主義的立場を守り、戦時中も軍部に迎合しなかった。20年3月法学部長、同年12月戦後最初の東大総長に就任。占領下において学問の独立を主張、その訓示は警世の言として注目を浴びた。21年には貴院議員となって憲法改正の審議に加わった。22年教育刷新委員会委員長。25年のサンフランシスコ講和条約の締結に際しては、全面講和を唱えて政府と対立、吉田茂首相から“曲学阿世の徒”と非難されても屈しなかった。26年東大総長退任、27年東大名誉教授となる。45年より日本学士院院長を務めた。主な著書に「国家と宗教」「大学の自由」「人間と政治」「フィヒテの政治哲学」「政治理論史」「政治哲学序説」のほか、「南原繁著作集」(全10巻 岩波書店)がある。また歌人でもあり、歌集に「形相」がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報