南相馬(読み)ミナミソウマ

デジタル大辞泉 「南相馬」の意味・読み・例文・類語

みなみそうま〔みなみサウま〕【南相馬】

福島県北東部の市。太平洋に面する。江戸時代には陸前浜街道が南北に通じていた。電気精密機械などの工業が盛ん。雲雀ヶ原ひばりがはら7月相馬野馬追のまおいが行われる。平成18年(2006)1月、原町市鹿島町小高町が合併して成立。人口7.1万(2010)。

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日本歴史地名大系 「南相馬」の解説

南相馬
みなみそうま

手賀てが沼以南、現在の沼南しようなん町や柏市・鎌ヶ谷市の一部にわたる中世の地名。大治五年(一一三〇)六月、下総権介平常重が伊勢内宮に寄進して成立した相馬御厨は、鎌倉初期、千葉常胤から次男師常に譲与され、以後、師常の子孫が相馬氏を名乗り、手賀沼の南域とともに相伝した。しかし相馬氏相伝所領のうち女子分として譲与された所領を中心に一部は他氏族に支配される。また相馬氏内部でも分割相続が行われ、相馬御厨および手賀沼以南は多くの庶子家が分割支配するようになっていった。相馬御厨および手賀沼以南の地は、沼沢地や開析谷によって分断された台地を中心にいくつかの郷に分れていた。たとえば、弘安五年(一二八二)一一月一二日の尼真如譲状案(正木文書)には藤心ふじごころ(現柏市)・手賀郷(現沼南町)がみえ、同七年三月二二日の平氏女譲状(島津家文書)黒崎くろさき(現我孫子市か)、同一〇年一〇月二四日の関東下知状(同文書)には文間もんま(現茨城県利根町・取手市)がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「南相馬」の意味・わかりやすい解説

南相馬[市] (みなみそうま)

福島県北東部,浜通り北部の市。2006年1月原町(はらまち)市と小高(おだか)町,鹿島(かしま)町が合体して成立した。人口7万0878(2010)。2011年3月の東日本大震災では,死者行方不明698人,全壊住宅4680戸にのぼった。

南相馬市南部の旧町。旧相馬郡所属。人口1万3274(2005)。太平洋に臨む。西部は阿武隈高地に含まれる丘陵からなる。JR常磐線が通じる中心の小高は中世相馬氏の本拠地で,現市街の北にある小高城は1326年(嘉暦1)から約280年間同氏の居城であった。近世は浜街道の宿場町として栄えた。東部の低地は水田地帯で,宮田川下流の井田川浦は1921-36年に干拓され約180haの水田となっている。明治期に士族授産として始められた絹織物工業があり,相馬羽二重として知られるが,60年代にレーヨン織物などに転換した工場が多い。小高城跡にある小高神社では,相馬野馬追の最終日に野馬掛の神事が行われる。小高神社の西には相馬氏の菩提寺同慶寺がある。泉沢には藤原時代の磨崖仏で国史跡の薬師堂石仏,阿弥陀堂石仏,観音堂石仏がある。

南相馬市北部の旧町。旧相馬郡所属。人口1万2107(2005)。太平洋に面する。真野川下流域を占め,西半は阿武隈高地東麓の丘陵地,東半は台地および真野川の沖積地からなる。開発の歴史は古く,《万葉集》に詠まれた真野は町の西部一帯にあたり,寺内には真野古墳群(史)がある。近世は相馬藩七郷の一つ,北郷と呼ばれ,中心の鹿島には陣屋が設けられた。産業は農業が中心で,米を主体に,ナシ,マイタケが特産。真野川河口には真野川漁港があり沿岸漁業が行われる。桜平山にはみちのく真野万葉植物園があり,右田浜,烏崎浜には海水浴場,キャンプ場がある。7月23日から3日間旧相馬藩領あげて行われる相馬野馬追には相馬中村神社の行列に加わる。JR常磐線が通る。
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南相馬市中部の旧市。1954年市制。人口4万7456(2005)。市域は大部分が新田(にいだ)川と太田川の流域に含まれ,西半が阿武隈高地に,東半が浜通り低地帯に属し,東は太平洋に臨む。中心市街地は,1645年(正保2)相馬藩の陣屋が置かれ,浜街道の宿駅としてしだいに整備された集落で,雲雀ヶ原(ひばりがはら)の北に接していたので原ノ町と称された。1898年常磐線が開通し,機関庫を置く原ノ町駅が開設された。その後,一般機械,電気機器,精密機械などの工業が立地し,県の出先機関も集まり,現在は相馬地方の中心となっている。原ノ町駅東方の高さ200mの原町無線塔(1921建設)は市の名物であったが,老朽化が進んだため1982年に取りこわされた。7月下旬に雲雀ヶ原を中心に行われる相馬野馬追は重要無形民俗文化財。周辺の農村部では米作のほか,野菜栽培,畜産,養蚕が行われ,新田川では秋にサケ漁が行われる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「南相馬」の解説

南相馬

福島県南相馬市にある道の駅。国道6号に沿う。

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