厚生年金(読み)コウセイネンキン

デジタル大辞泉 「厚生年金」の意味・読み・例文・類語

こうせい‐ねんきん【厚生年金】

厚生年金保険法に基づき、定められた事業所の従業員老齢年金障害年金遺族年金などを給付する政府管掌の社会保険制度。昭和61年(1986)の年金制度改正により、国民年金基礎年金上乗せして給付される(給付の際には、それぞれ老齢厚生年金・障害厚生年金遺族厚生年金という)。一般に、保険料事業主および被保険者がそれぞれ半額を負担厚生年金保険。→退職共済年金公的年金

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「厚生年金」の意味・読み・例文・類語

こうせい‐ねんきん【厚生年金】

〘名〙 厚生年金保険法にもとづいて、厚生年金保険の被保険者やその遺族などに給付される年金。老齢年金、遺族年金などがある。厚年。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

知恵蔵 「厚生年金」の解説

厚生年金

サラリーマンら民間企業の従業員が加入する公的年金。20歳未満も含めて、原則として69歳まで加入する。2005年3月末現在の加入者数は3249万人で、年金の中で最大である。保険料は労使で折半する。04年の年金改正で、保険料を毎年10月に0.354%ずつ、17年までに18.30%に引き上げ、この水準で固定することとなった。厚生年金は、戦争中の1942年に工場労働者対象とする労働者年金としてスタートし、44年に厚生年金に改称された。85年の年金制度改正で基礎年金が導入され、従来の厚生年金定額部分は基礎年金となった。その上乗せとして在職中の給料に応じて支給される報酬比例部分が、狭い意味での厚生年金となった。

(梶本章 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「厚生年金」の解説

厚生年金

1942年に創設された、民間企業で働く会社員を対象とした公的年金制度。国民年金に上乗せした形で管理・運営されている。被保険者は年収の一定割合の保険料(2004年6月現在、13.58%)を労使で折半する。保険料は2004年10月から毎年0.354%ずつ2017年まで段階的に引き上げ、18.30%で固定化する予定。原則として25年以上加入、満60歳などの条件を満たした場合に受給資格が得られる。厚生年金には65歳以降支給される老齢年金、障害者に対して支給される障害年金、公的年金加入者が死亡した場合に遺族に支払われる遺族年金がある。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の厚生年金の言及

【遺族年金】より

…一家の生計の中心者であった者が死亡したとき,その者と生計維持関係にあった遺族に支給される年金給付。日本の公的年金制度では,国民年金制度を通して支給される全国民共通の遺族基礎年金と自営業者等のみを対象とする寡婦年金,厚生年金保険(または共済年金)から支給される遺族厚生年金(または遺族共済年金)がある。
[遺族基礎年金]
 遺族基礎年金は,(1)国民年金の被保険者,(2)過去に国民年金の被保険者であった者で,日本国内に住所があり,かつ60歳以上65歳未満の者,(3)老齢基礎年金の受給権者,(4)老齢基礎年金の資格期間を満たしている者,のいずれかに該当する者が死亡したとき,子のある妻または子に支給される。…

【年金】より

…第1は共済組合グループで,主として公務員がこれに属する。第2は厚生年金グループで,民間の給料生活者が対象である。第3は国民年金で,主として自営業者が対象だが,給料生活者でも5人未満の事業所は原則として国民年金の適用を受け,また任意加入の規定によって給料生活者の妻も数多く加入してきた。…

※「厚生年金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android