原 撫松(読み)ハラ ブショウ

20世紀日本人名事典 「原 撫松」の解説

原 撫松
ハラ ブショウ

明治期の洋画家



生年
慶応2年1月27日(1866年)

没年
大正1(1912)年10月27日

出生地
備前国出石村(岡山市)

学歴〔年〕
京都府画学校西宗科〔明治17年〕卒

経歴
明治12年頃岡山在住の洋画家多賀清光、平野雄也に学び、のち小山三造、田村宗立師事。15年京都博覧会で褒状を受ける。中学校で教職についたのち19年岡山に戻り、以後10年間肖像を描きながら絵画研究を行う。29年上京、伊藤博文、西園寺公望らの肖像を描く。37年イギリスに渡り、独学修業を重ね、38年美術批評家スピールマンを訪問。39年と40年2度にわたってスピールマンにより「グラフィック」紙に取り上げられ、ヨーロッパで大きな評判を呼ぶ。滞英中「影の自画像」「画家ヘンリー」等を制作。40年帰国するが、画壇との交渉は断った。翌41年赤坂離宮壁画制作の依頼を受け、同年東京品川御殿山下の森村市左衛門邸内に画室を建てた。明治期に本格的な油彩技法を修得した最も優れた画家の一人とされる。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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