原子力規制委員会(米国)(読み)げんしりょくきせいいいんかい(英語表記)Nuclear Regulatory Commission

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

原子力規制委員会(米国)
げんしりょくきせいいいんかい
Nuclear Regulatory Commission

原子力の安全規制に関するアメリカの行政委員会。NRCと略称される。1975年1月、アメリカの原子力開発行政すべてを掌握してきた原子力委員会は28年間の歴史を閉じ、利用促進を担うエネルギー研究開発局(ERDA)と安全規制を担うNRCとが分離独立した。これは、1974年10月に成立した「エネルギー機構改革法」に基づく行政改革によるもので、NRCは旧原子力委員会の許認可ならびに規制業務のすべてと、安全研究の一部を引き継いだ。NRCは大統領が任命する5名の文民委員で統括される行政委員会で、1979年に起きたスリー・マイル島TMI)原発事故以後は、委員長も大統領により任命されることになった。この委員会のもとに原子炉規制局や核物質安全・保障措置局などの行政部局、原子力安全許可会議パネルや医療用放射線諮問委員会などの諮問機関等が置かれ、2010年の時点で約4000人の職員を擁している。

[中島篤之助]

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