原町(福島県)(読み)はらまち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「原町(福島県)」の意味・わかりやすい解説

原町(福島県)
はらまち

福島県浜通り北部にあった旧市名(原町市)。現在は南相馬(そうま)市原町区で、市の中部を占める地域。旧原町市は、1954年(昭和29)原町と高平(たかひら)、太田、大甕(おおみか)の3村が合併して市制施行。1956年石神(いしがみ)村を編入。2006年(平成18)鹿島(かしま)、小高(おだか)の2町と合併して、南相馬市となった。JR常磐(じょうばん)線、国道6号が通じる。西部阿武隈(あぶくま)高地で、この高地に発する太田川、新田(にいた)川が東流して太平洋に注いでいる。中心の原町は江戸時代には浜街道の宿場であり、相馬中村藩の陣屋が置かれた地。1963年に低開発地域工業開発地区に指定され、市街地周辺に電気、紡織、精密機械などの工業が分布する。地区の北東端に原町火力発電所が建設されている。農業は米作のほか、葉タバコ栽培、施設園芸などがある。新田川ではサケ漁が行われる。商業活動は仙台市といわき市の間にあって活発とはいいがたい。

 南部の雲雀ヶ原(ひばりがはら)では7月末の土曜日と日曜日、相馬野馬追(国指定重要無形民俗文化財)の甲冑(かっちゅう)競馬、神旗争奪が行われる。1995年に野馬追の里市立博物館(現、南相馬市立博物館)が開館した。国指定史跡に羽山横穴(はやまよこあな)、桜井古墳があり、中村藩独特の在郷給人の旧武山家住宅は国指定重要文化財。

原田 榮]

『『原町市史』(1968・原町市)』


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