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原発性硬化性胆管炎(PSC) げんぱつせいこうかせいたんかんえんぴーえすしー Primary Sclerosing Cholangitis

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家庭医学館の解説

げんぱつせいこうかせいたんかんえんぴーえすしー【原発性硬化性胆管炎(PSC) Primary Sclerosing Cholangitis】

[どんな病気か]
 肝臓の内と外の胆管に原因不明の慢性の炎症がおこり、胆管のまわりに線維(コラーゲン)がタマネギ様に増え、胆管がじゅずのように狭くなってくる病気です。その結果、胆汁の排泄(はいせつ)が障害され、肝臓の中に胆汁が停滞し、黄疸(おうだん)が現われます。同時に門脈圧の上昇(食道・胃静脈瘤(りゅう)の形成)をともないながら、終末には胆汁うっ滞性肝硬変になります。この病気は比較的若い男性に多く(男女比2対1)、しばしば潰瘍性(かいようせい)大腸炎などの炎症性腸疾患を合併します。
[症状]
 初めは、まったく症状がない場合もありますが、全身のだるさ、疲れやすさや皮膚のかゆみをうったえることが多く、これに引き続き黄疸と不定の腹痛や発熱がおこってきます。体重減少や発熱が最初の症状となることもあります。末期には、黄疸が強まるとともに腹水の症状が現われ、ときに食道や胃の静脈瘤の破裂が原因となって吐血(とけつ)する場合もあります。
 合併症 潰瘍性大腸炎クローン病を合併する頻度が高く、反復性細菌性胆管炎を併発し、高熱と黄疸の悪化をくり返します。また、胆管がんの合併頻度が高いといわれています。黄疸が進行すると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)がおきてきます。
[検査と診断]
 内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(ERCP)または経皮的経肝胆管造影法(PTC)で直接肝臓の内と外の胆管を造影し、「じゅず状狭窄(きょうさく)」とか「枯枝状」と呼ばれる所見が認められれば、この病気と診断されます。肝生検で胆管をとり巻いて線維が増えている所見が証明されれば診断はさらに確実になります。
 血液検査では、血清ALP、γ‐GTP、血清GOT(AST)、GPT(ALT)が上昇し、病気がある程度進むと、黄疸を現わす血清ビリルビン値が上昇してきます。腫瘍(しゅよう)マーカーのCEAやCA19‐9が高い場合には胆管がんの危険があるので精密検査が必要です。自己抗体として抗好中球細胞質抗体(p‐ANCA)が高率に陽性を示すといわれています。抗ミトコンドリア抗体や抗M2抗体は陰性です。
[治療]
 有効な内科的治療法は、まだありませんが、胆汁酸の1つで、体内にもあるウルソデオキシコール酸の内服によって、前述の血液生化学検査値の上昇が低下します。免疫抑制療法は効果が望めません。反復性細菌性胆管炎に対してはペニシリン系の抗生物質がもっとも有効です。とくに肝臓の外にある胆管の狭窄が進行して黄疸が高度な場合には、ステントバルーンを胆管の狭い部分に入れて胆管を拡張させます。末期における延命は、肝移植によってのみ可能です。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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