又(漢字)

普及版 字通 「又(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 2画

(旧字)
2画

[字音] ユウ(イウ)
[字訓] また・ふたたび・たすける

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
右の手の形で、右の初文。〔説文三下に「手なり。象形。三指なるは、手の列多きも、略して三にぎざるのみ」とある。左向の字は、左の初文。右は後起の字で、祝の器である口((さい))をもつ形。左も後起の字で、呪具である工をもつ形。はのち副詞のまた、動詞佑助の意に用い、左右の字には用いない。金文ではを左右の右、有無の有、保有・敷有の有、また佑助の佑、侑薦の侑に用いる。〔詩、小雅、小宛〕「天命(ふたた)びせず」、〔儀礼、燕礼〕「之れに命ず」は復の意、〔礼記、王制〕「王三たびす」は宥(ゆる)す意である。

[訓義]
1. て、みぎのて、みぎ。
2. たもつ、やすんずる、ゆるす。
3. また、さらに、ふたたび。
4. たすける、やしなう。

[古辞書の訓]
名義抄 マタ・サラニ・テ・アヤマル・スクル・ヲサム

[部首]
〔説文〕に右・(父)・・曼・尹・(及)・・友など二十八字と重文十六字を属する。(史)・(支)・攴(ぼく)などの各部も、に従う。右は祝は斧、(そう)は中の火、曼(まん)は頭布を掲げる。尹(いん)は呪杖をもつ、は後ろより人の裾をもつ、(せい)は呪獣の祟(すい)(たたり)をもって祓う、友は兄弟相佑助することをいう。

[声系]
〔説文〕に(有)・・尤を声とするが、は肉をもつ形で会意、尤は呪獣の伏する形で象形字である。

[語系]
・右・佑・(祐)・hiuは同声。卜文・金文において、をまたそれぞれ字義に用いており、みなより分化した同系の語である。

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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