精選版 日本国語大辞典 「又・亦・復」の意味・読み・例文・類語
また【又・亦・復】
[1] 〘副〙
① 同じ行為、状態がもう一度出現するさまを表わす語。再び。もう一度。
※土左(935頃)承平五年一月一五日「たてばたつゐればまたゐるふく風と波とは思ふどちにやあるらん」
③ 一つの状態の他に、もう一つ別の、類似、あるいは対立する状態のあり得ることを認める気持を表わす語。ほかに。さらに。他方。
④ 「…また…」の形で同じ名詞を受けて、どこまで行っても、いつまでたってもその物がずっと続くさまを表わす。
※和漢朗詠(1018頃)下「山また山 何れの工か青巖の形を削り成せる〈大江澄明〉」
⑤ 疑問文に用いて、事態をいぶかしがる気持を強調する語。一体全体。
⑥ 一つの評価・判断を強調して示す語。まったく。特に。
[2] 〘接続〙
① 並列的な、または選択的な関係にある事柄を列挙することを示す。ならびに。あるいは。または。
※万葉(8C後)八・一五三八「萩の花尾花葛花瞿麦(なでしこ)が花女郎花(をみなへし)又(また)藤袴朝貌が花」
※源氏(1001‐14頃)桐壺「御送り迎への人の衣の裾堪へがたくまさなきこともあり。又、ある時は、えさらぬ馬道の戸をさしこめ」
② 前の事柄に後の事柄が添加されることを示す。その上。さらに。そればかりでなく。
※枕(10C終)一「霜のいとしろきも、またさらでもいと寒きに」
③ ⇒さてまた
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報