友・朋・伴・部・侶・共(読み)とも

精選版 日本国語大辞典 「友・朋・伴・部・侶・共」の意味・読み・例文・類語

とも【友・朋・伴・部・侶・共】

〘名〙
[一] 同じ仲間の人々。ともがら。
① (多く、連体修飾語を受けて) その仲間である人をさしていう。
(イ) ある同質の人々の集団。連中。
万葉(8C後)一・五三「藤原の大宮仕へ生(あ)れつくや処女(をとめ)が友(とも)は羨(とも)しきろかも」
(ロ) 令制前、伴造(とものみやつこ)に管掌されて、一定の職能をもって大和王権に仕える集団。貢納や奉仕により大王に仕えた。→伴緒(とものお)伴部(とものみやつこ)
※古事記(712)中・歌謡「島つ鳥 鵜養(うかひ)が登母(トモ) いま助(す)けに来ね」
② その者・物と同質で同じ集団を構成する要員をさしていう。仲間。つれ。
※伊勢物語(10C前)八「あづまの方に行きて住み所求むとて、ともとする人ひとりふたりして行きけり」
③ 親しく交わる相手。友人。友だち。また、一般に、生活行動をいっしょにするもの、慰めとなる対象などをさしていう。
書紀(720)雄略七年是歳(前田本訓)「盛りに稚媛を朋友(トモ)に称(ほめかた)りて曰はく」
源氏(1001‐14頃)明石「ただゆくへなき空の月日の光ばかりを故郷(ふるさと)の友とながめ侍に」
[二] (共) いっしょ。同一。また、同じ性質であること。→共に
巷談本牧亭(1964)〈安藤鶴夫梅雨また…「紺のレインコートに、とものベレ・ハンティングをあみだにかぶった男が入ってきた」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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