古人・旧人・故人(読み)ふるびと

精選版 日本国語大辞典 「古人・旧人・故人」の意味・読み・例文・類語

ふる‐びと【古人・旧人・故人】

〘名〙 (古くは「ふるひと」)
① 昔の人。すでに死んだ人。こじん。
万葉(8C後)九・一七九五「妹らがり今木の嶺に茂り立つつま松の木は古人(ふるひと)見けむ」
② 年をとった人。老人
※青表紙一本源氏(1001‐14頃)明石「ふる人は、涙もとどめあへず」
③ 古くからいる人。以前からそこにいる人。古参の人。
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「かくて、あて宮の御方に、殿守といふふる人ありけり」
④ 古くから交際している人。昔なじみの人。また、かつて交わりのあった人。
※万葉(8C後)四・五五四「古人(ふるひと)の食(たま)へしめたる吉備の酒病まばすべなし貫簀賜らむ」
⑤ 昔かたぎの人。古風な考えの人。
※源氏(1001‐14頃)行幸「あやしきふる人にこそあれ。かく、物つつみしたる人は、ひきいりたるこそよけれ。さすがに、恥ぢがましや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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