司(漢字)

普及版 字通 「司(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

(異体字)
17画

[字音]
[字訓] つかさどる・つぐ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
(し)+口。口は祝を収める器の形で(さい)。はこれを啓(ひら)くもの。そこに示される神意を伺いみることを示す。神の啓示を受けることを司ることから、司の意となる。〔説文九上に字を后の反文(反対の左向きの形)とし、「臣にして事を外に司るなり」とするが、卜文では后の初文は(いく)の形にしるされている。司はおそらくもと祭祀に関する字で、卜辞に「王の廿祀」を、また「王の廿司」としるしているものがあり、祀と声義の近い字であろう。金文に、長官として政を司ることを「死(しし)」といい、死は尸(し)で尸主、また司る意があり、は治める意。(らん)は亂(乱)の初文で、架にかけた糸のもつれ。それをの形のもので紛(もつ)れを解く形である。司にまた「司(つ)ぐ」意があり、嗣の初文とみてよい。

[訓義]
1. まつる、祠(まつ)って神意をうかがう。
2. つかさどる、神事をつかさどる、つかさ。
3. 伺・覗と通じ、うかがう、察する、ようすをみる。
4. 嗣と通じ、つぐ。

[古辞書の訓]
名義抄〕司 ツカサ・ツカサドル 〔立〕司 ツカサ・カミ・ツカサドル・サトル

[部首]
〔説文〕に詞をこの部に属し、〔玉〕に伺・の二字を加え、を詞の籀文とする。は金文に死寇のように用い、司の籀文と考えられる。

[声系]
〔説文〕に司声として祠・嗣・笥の三字を収める。祠・嗣は古く司にもその用義があり、司から出た字である。

[熟語]
司医・司域・司員・司院司圜・司稼司駕・司寒・司宮司馭・司業司虞・司勲・司憲・司戸司寇・司功・司行・司獄・司・司載・司察・司至・司刺・司戎・司掌・司常司嗇・司辰司箴・司水・司籍・司膳・司存司鐸司直・司天・司典司徒・司・司道・司農・司馬・司敗司搏司頒・司分・司文・司聞・司方・司・司法・司牧・司僕・司命司盟・司門・司理・司律司廩・司礼・司司隷・司暦司驢・司禄
[下接語]
官司・宮司・群司・下司・京司・憲司・公司・国司・宰司・祭司・主司・衆司・諸司・上司・職司・曹司・総司・台司・朝司・典司・督司・百司・分司・牧司・明司・有司

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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