吉野(徳島県)(読み)よしの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉野(徳島県)」の意味・わかりやすい解説

吉野(徳島県)
よしの

徳島県北東部、板野郡にあった旧町名(吉野町(ちょう))。現在は阿波市(あわし)の南東部を占める地域。吉野川の中流北岸に位置する。旧吉野町は、1957年(昭和32)一条(いちじょう)町と柿島(かきしま)村の一部が合併して成立。2005年(平成17)土成(どなり)、市場、阿波の3町と合併して市制施行、阿波市となった。国道318号が通じ、阿波中央橋(1954年架設)で対岸の吉野川市と結ばれるが、架橋以前は渡船、潜水沈下)橋によっていた。2004年、新たに吉野川市と結ぶ西条大橋が完成した。宮川内谷(みやごうちだに)川と九頭宇谷(くずうだに)川の形成した扇状地と吉野川の自然堤防からなり、集落は自然堤防上に立地する。柿原は徳島藩政期に原士(はらし)(郷士)たちの開拓地。アイ栽培による藍(あい)作や養蚕が盛んであったが、現在はイチゴレタスの栽培が多い。中心の西条は室町時代に守護細川氏の臣岡本氏の居城があった地で、江戸初期には阿波九城の一つに数えられた。

[高木秀樹]

『『吉野町史』全2巻(1977、1978・吉野町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android