吉野川(奈良県)(読み)よしのがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉野川(奈良県)」の意味・わかりやすい解説

吉野川(奈良県)
よしのがわ

奈良県中央部を流れる川。紀伊水道に注ぐ紀ノ川上流で、奈良県を流れる間を吉野川という。延長81キロメートル。奈良、三重県境の大台(おおだい)ヶ原(はら)山付近に発し、嵌入蛇行(かんにゅうだこう)して北西流し、吉野町国栖(くず)付近で高見川と合流し、極端な曲流をみせて同町上市(かみいち)に至り、川幅を広げ西に向かい、両岸河岸段丘を形成する。さらに蛇行して五條(ごじょう)市を西流、左岸から丹生(にう)川をあわせて和歌山県に入って紀ノ川となる。中流以下は西南日本の中央構造線構造谷に沿う。古くから川沿いを伊勢(いせ)と紀州を結ぶ伊勢街道が通じ、現在も国道169号が走る。また川沿いには上市、下市、五條などの市場町が発達した。吉野川渓谷、津風呂(つぶろ)湖周辺は県立吉野川津風呂自然公園に指定されている。

[菊地一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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