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名誉・プライバシー訴訟 めいよぷらいばしーそしょう/めいよそしょう/ぷらいばしーそしょう

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知恵蔵2015の解説

名誉・プライバシー訴訟

名誉権は、憲法上の人格権として保障されており、その侵害は名誉棄損罪や不法行為になる。また、プライバシーの権利も、三島由紀夫モデル小説をめぐる『宴のあと』裁判東京地裁判決(1964年9月)で「私事をみだりに公開されない」人格権として認められて以来、判例による新しい権利として確立した。しかし、他方で憲法21条の表現の自由報道の自由との調整が必要なことから、最高裁は、公共の利害に関する事実について、専ら公益を図る目的で表現した場合は、それが真実か、真実と信ずる相当な根拠があれば、名誉棄損は成立しないとしている。プライバシー侵害については、前科報道が問題になることが多く、ノンフィクション『逆転』裁判最高裁判決(94年2月)は、犯罪者の社会復帰状況を具体的に認定したうえで、前科公表の利益と更生の利益を個別事例ごとに衡量し、前者が優越しない限り違法だとした。救済方法としては、損害賠償のほか、「北方ジャーナル」裁判最高裁判決(86年6月)が名誉権侵害予防のために雑誌発売の差し止め請求を認めており、近年では、モデル小説における容貌の記述等が人格権侵害に当たるとして公表の差し止めを認めた『石に泳ぐ魚』裁判最高裁判決(2002年9月)がある。04年3月、田中真紀子元外相の長女の私生活に関する記事をめぐり、東京地裁が「週刊文春」の出版を禁止する仮処分命令を発売日前日に出したことから、文藝春秋は約3万部の出荷を停止するという異例の事態になったが、4月に東京高裁が文藝春秋側の主張を認めて地裁の仮処分命令を取り消した。

(土井真一 京都大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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