否否・厭厭・嫌嫌（読み）いやいや

精選版 日本国語大辞典

いや‐いや【否否・厭厭・嫌嫌】

[1] 〘感動〙

① (否否) 「いや（否）」を重ねて、強い打消の意を表わすことば。

※源平盛衰記（１４Ｃ前）四六「常磐(ときは)手をあがいて、いやいや、努(ゆめ)努此の事又人に語給ふな」

② りっぱなこと、程度の激しいことなどに感じて発することば。〔日葡辞書（1603‐04）〕

[2] 〘副〙 いやだと思いながらも。しぶしぶ。

※人情本・仮名文章娘節用（1831‐34）前「友達にさそはれて、いやいや燈籠を見物に来た日が」

[3] 〘名〙

① いやだという意志を表わすために首を左右に振ること。

※雑俳・柳多留拾遺（1801）巻二〇「仕立屋はいやいやをして縫ってゐる」

② いやだという意志をもつこと。

※いさなとり（1891）〈幸田露伴〉四七「夕立前の空に重い雲のあるやうな感じのせられて、其可厭可厭(イヤイヤ)さは言語に絶えたることなれど」

出典　精選版 日本国語大辞典