吹捲(読み)ふきまくる

精選版 日本国語大辞典 「吹捲」の意味・読み・例文・類語

ふき‐まく・る【吹捲】

〘他ラ五(四)〙
① 風が激しく吹いて、物を巻き上げる。また、自動詞的に用いて、強い風が吹く。吹き荒れる。
方丈記(1212)「大きなる辻風おこりて〈略〉三四町をふきまくる間に」
② おおげさなことをさかんにいう。ほらをふく。
※明治大正見聞史(1926)〈生方敏郎政府の恐露病と日露戦争「バイカル以東を割いて我が有となすべし、と吹きまくったので」
③ 笛などの吹奏楽器をさかんに吹く。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉二一何方(どっち)が巧(うま)いか、一番息の続く丈吹(フ)き驀(マク)ってやったらば愉快ぢゃらう」

ふき‐ま・く【吹捲】

〘他カ四〙 風が激しく吹いて、物を巻き上げる。強い風で、物を吹き散らす。
古今(905‐914)離別・三九四「山かぜにさくらふきまきみだれ南花のまぎれに君とまるべく〈遍昭〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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