精選版 日本国語大辞典 「吾木香」の意味・読み・例文・類語
われ‐もこう ‥モカウ【吾木香・我毛香・吾亦紅コウ】
〘名〙
① バラ科の多年草。各地の山野に群生する。高さ〇・六~二メートル。葉は奇数羽状複葉で五~一三枚の小葉からなる。各小葉は長楕円形または長卵形で縁にあらい鋸歯(きょし)があり、長さ三~五センチメートル。夏から秋にかけて、卵形で長さ二~三センチメートルの濃紫色の花穂をつける。花弁はなく、萼裂片が花弁状。根は漢方で地楡(ちゆ)と呼び、止血・収斂薬に用いる。若葉は食べられる。漢名、地楡。《季・秋》
※狭衣物語(1069‐77頃か)二「この比の枯野の色なる御衣どもの濃き薄きなるに、同じ色のわれもかうの織物の重なりたるなども」
④ 植物「おがるかや(雄刈萱)」の異名。
※大和本草(1709)六「地楡 われもかう也。のこぎり草を地楡とするはあやまり也。別にわれもかうと云物あり。芒類なり。花如レ穂似二荻花一」
⑤ 植物「おけら(朮)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
⑥ 植物「じゃこうそう(麝香草)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
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