呉呉も(読み)くれぐれも

精選版 日本国語大辞典 「呉呉も」の意味・読み・例文・類語

くれぐれ‐も【呉呉も】

〘副〙 (「くれぐれ」を強めた語)
真心をこめて繰り返し繰り返し行なうさまを表わす語。
洒落本・青楼真廓誌(1800)「いつ頃又御出なさりますやら御聞申て来てくれろとお二人のおいらんがくれくれもおっしゃりました」
② 過去のことについて、何度思い返してみても、という意を表わす語。かえすがえすも。
人情本・閑情末摘花(1839‐41)三「此芸を持って門彳(かどづけ)をせずと〈略〉呉々(クレグレ)も惜い事だ」
③ (下に依頼懇願の表現を伴って) 他者に誠心誠意はたらきかけるさまを表わす語。
(イ) 相手に直接言う場合。主に手紙の文章で用いる。
※今年竹(1919‐27)〈里見弴〉焼土「くれぐれもおん身御大切に」
(ロ) 人を介して自分の気持を伝えてもらう場合。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉四「尚々別紙一通は兼頭様一通は西内様へ其許持参呉れ呉れも御礼申し述べらるべく候」

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デジタル大辞泉 「呉呉も」の意味・読み・例文・類語

くれぐれ‐も【呉も】

[副]
何度も心をこめて依頼・懇願したり、忠告したりするさま。「呉呉もお大事に」
何度考えても。かえすがえす。
「―嬉しきものにかの時の訓戒を記して」〈露伴・いさなとり〉
[類語]どうぞ強いて敢えてむりやり努めてできるだけ極力なるたけなるべく可及的必ずきっと絶対是非何としてもどうしても何が何でも是が非でも押してたってどうぞどうか願わくはなにとぞなんとかまげてひとつ必ずや必然必定必死不可避誓っててっきり違いないはず決まってすなわち否が応でも否でも応でもいやでもいやとも是非とも無理無理算段無理無体無理押し無理強い強制的強引強気強行独断独断的理不尽強硬頑強問答無用強要力尽く力任せ腕尽くごり押し断固一刀両断横柄威圧的否応無し頑として横紙破り横紙を破る有無を言わせず腕力に訴える横車を押す押し付けがましいねじ伏せる首に縄を付ける遠慮会釈もない遠慮高圧的高飛車頭ごなし押し通す押し付ける一方的豪腕なにぶん平にしんからこころから衷心返す返すくれぐれよくよくとくととっくり重重重ね重ね幾重にも重ねて再び再度再三再三再四再再又又又もまたもやたびたび何度も念入り心して心する慎重手堅い用心深い細心入念またぞろ懲りずまに二の舞性懲しょうこりもないてつを踏む前車のてつを踏むてつを踏む改めてまたしてもよくしばしばちょくちょく往往ちょいちょいしきりしょっちゅう幾度頻繁頻頻しげしげ足繁くあまたたびまた二度と二度と再びくどくどうだうだぐだぐだくだくだたらたらああだこうだ四の五の四の五の言う

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