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周産期医療情報ネットワーク しゅうさんきいりょうじょうほうねっとわーく

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知恵蔵2015の解説

周産期医療情報ネットワーク

妊婦や新生児に高度医療を提供する病院の空床状況などをコンピューター端末で閲覧できるシステム。具体的には、空きベッド数、手術の可否、担当医師などが確認できる。2007年1月現在で39の都道府県が導入している。
周産期(妊娠後期から新生児期)の場合、お産の前後で緊急治療や母体と新生児の両方に高度医療を施さなければならないケースがしばしば発生する。ところが、このような医療を提供してくれる病院がどこにあり、どの程度空きベッドがあるかなどの情報は必ずしもネットワーク化されていなかった。そのような情報の伝達不足を防ぐのが同ネットワークの役割だ。
国は1996年から、各都道府県に周産期医療の中核となる総合周産期母子医療センターを置き、地域周産期母子医療センターなど高度な医療を提供する病院と連携しながらハイリスクなお産に対応する「周産期医療対策事業」を実施。同ネットワークは、こうした医療機関同士の情報交換をスムーズにする役割も担っている。ネットワークの運用方法は都道府県によって少しずつ違うが、病院のほか消防まで含んだネットワークを構築したり、受け入れ状況をインターネット上で一般公開したりする都道府県もある。
だが、ネットワークは整備されていても、病院側のマンパワーや受け入れ体制などの問題によって、重篤に陥った妊婦の搬送先がなかなか決まらなかったり、たらい回しにされたりという現象も起こっている。例えば、2008年10月に東京都で発生したケースでは、ネットワーク上では「受け入れ可能」と表示されていた病院が、NICU(新生児集中治療室)が満床のため妊婦の受け入れを断ったほか、急患対応で空きベッド情報の更新が遅れたために正確な情報表示ができていなかった病院もあった。結局、妊婦の搬送先はなかなか決まらず、3日後に脳内出血で死亡した。
また、全国周産期医療連絡協議会が行った07年度の実態調査では、ネットワークを整備している都道府県の73%が「ネットワークは十分に機能していない」と回答した。

(高野朋美 フリーライター / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

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