呪・詛(読み)のろう

精選版 日本国語大辞典 「呪・詛」の意味・読み・例文・類語

のろ・う のろふ【呪・詛】

〘他ワ五(ハ四)〙
① 恨んだり憎んだりする人に、わざわいがあるようと神仏に祈る。
書紀(720)神功摂政四七年四月(熱田本訓)「新羅人其の呪詛(ノロヒとこふ)ことを怖れて」
愚管抄(1220)五「主上をのろひまゐらせけるきこえありて」
他人をひどく悪くいう。ひどい悪口をいう。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「圧制家(ですぽと)・利己論者(いごいすと)と口では呪ひながら、お勢もつい其不届者と親しんで」
③ 強く恨む。
舞姫(1906)〈与謝野晶子〉「君を見て昨日に似たる恋しさをおぼえさせずば神よ詛(ノロ)はむ」

のろい のろひ【呪・詛】

〘名〙 (動詞「のろう(呪)」の連用形名詞化)
① のろうこと。呪詛(じゅそ)
※栄花(1028‐92頃)月の宴「のろひなどしたまひつらむやうにきこえなす」
キリスト教で、神の怒りを受けることをいう。

とこ・う とこふ【呪・詛】

〘他ハ四〙 人の身に悪いことが起こるように神に祈る。わざわいを他に加えようとして祈る。のろう。
※書紀(720)神代下(鴨脚本訓)「鈎を以て汝兄に与へたまはむ時に、則ち可詛(トコヒ)言」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android