精選版 日本国語大辞典 「哀・憐」の意味・読み・例文・類語
あわれ‐・ぶ あはれ‥【哀・憐】
[1] 〘他バ四〙
① =あわれむ(哀)①
※南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)一「汝、児子を憐愛(アハレフ)や」
② =あわれむ(哀)②
[2] 〘他バ上二〙 (一)に同じ。
※大鏡(12C前)六「おのれまでも、恵みあはれびられ奉りて侍る身と」
あわれ‐・む あはれ‥【哀・憐】
〘他マ五(四)〙
① いつくしむ。愛する。感心する。賞美する。あわれぶ。
※元永本古今(905‐914)仮名序「花をめで、鳥をうらやみ、霞をあはれみ」
※大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点(1099)九「天恩矜(アハレミ)憫(かなし)むで、降(くだ)すに良医を以てす」
※天草本伊曾保(1593)イソポ アテナスの人々に述べたる譬へ「テン コレヲ auaremaxerarete(アワレマセラレテ)」
[語誌]→「あわれぶ(哀・憐)」の語誌
あわれみ あはれみ【哀・憐】
① 感心すること。いとしく思うこと。また、なつかしく思うこと。あわれび。
② ふびんに思うこと。慈悲。同情。あわれび。
※方丈記(1212)「あはれみを以て国を治め給ふ」
あわれび あはれび【哀・憐】
〘名〙 (動詞「あわれぶ(哀)」の連用形の名詞化) =あわれみ(哀)
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「たまたま聞きつくるけだもの、ただこのあたりにあつまりて、あはれびの心をなして」
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