哥沢芝金(初代)(読み)うたざわ・しばきん

朝日日本歴史人物事典 「哥沢芝金(初代)」の解説

哥沢芝金(初代)

没年:明治7.8.27(1874)
生年:文政11(1828)
幕末・明治初期の哥沢開祖。江戸高砂町に住む御家人柴田弥三郎の3男で,名は金吉。端唄を愛好して歌沢笹丸を取り巻くひとりとなり,本名に寄せて芝金を通称にした。歌沢の樹立に力を貸したが,笹丸死後は歌沢の「歌」を「哥」に改めて一派を立て,文久1(1861)年哥沢土佐太夫と名乗った。明治3(1870)年,哥沢芝右衛門の名で劇場へ出演し,中村座の「梅暦辰巳園」ほか数回出演して自流の伸長を図った。端唄に比べて哥沢のふしが長いのは,芝居出演が一因となっているのかもしれない。<参考文献>山崎青雨『うた沢通・うた沢大全』

(倉田喜弘)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「哥沢芝金(初代)」の解説

哥沢芝金(初代) うたざわ-しばきん

1828-1874 幕末-明治時代のうた沢節演奏家。
文政11年生まれ。御家人の子で,歌沢笹丸のもとで歌沢一派の樹立につとめる。笹丸の没後,歌沢2代家元をついだ初代歌沢相模(さがみ)からはなれ,芝派をおこす。文久元年受領して哥沢土佐太夫を名のった。明治7年8月27日死去。47歳。本名は柴田金吉

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