精選版 日本国語大辞典 「善・能」の意味・読み・例文・類語
よく【善・能】
〘副〙 (形容詞「よい」の連用形から)
① 十分に。念を入れて。また、巧みに。うまく。
※はやり唄(1902)〈小杉天外〉七「其事情を、お前の知ってる限、熟(ヨ)く悉しく話して遣るが可(い)い」
② ひどく。非常に。はなはだしく。大変。
※万葉(8C後)二・一二八「吾が聞きし耳に好(よく)似る葦のうれの足ひく吾が背つとめたぶべし」
③ たびたび。ともすれば。しばしば。ちょくちょく。まま。
※右京大夫集(13C前)「なにとなきことを我も人もいひしをりおもはぬ物のいひはづしをしてそれをよくいはれしも」
※負け犬(1953)〈井上友一郎〉「この種の印刷物のハガキはよく来る」
※万葉(8C後)四・五二三「好(よく)渡る人は年にもありといふを何時の間にそも吾が恋ひにける」
よっく【善・能】
〘副〙 (「よく(善)」の変化した語) 「よく」を強めた語。たいそうよく。十分に念を入れて。
※玉塵抄(1563)一四「いかにもつつしんでよっく思案して」
よっ【善・能】
〘副〙 「よく(善)」の変化した語。
※金刀比羅本平治(1220頃か)中「あっぱれ太刀、三河守もよっきり給けり」
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