囲込(読み)かこいこみ

精選版 日本国語大辞典 「囲込」の意味・読み・例文・類語

かこい‐こみ かこひ‥【囲込】

〘名〙
① 囲って中にとり込むこと。また、その囲っているもの。
② 江戸時代、自分の土地や山林の周辺にある別人の所有地を、断わりなく自地へとり込む行為。
※禁令考‐後集・第一・巻一〇(江戸中‐後)「一他之地先を囲込は、為之 但、囲込之仕方於不埒は、其年貢も為収也」
③ (enclosure の訳語) 一五世紀末から一九世紀初頭に、ヨーロッパ、特にイギリスで、領主や大地主が、牧羊や大農場経営を行なうため、広大な土地を占有し(囲いこみ)、農民を土地から追い払ったこと。農業資本主義を確立する契機になったといわれている。エンクロージャー

かこい‐こ・む かこひ‥【囲込】

[1] 〘他マ五(四)〙 囲って中にとり込む。
草枕(1906)〈夏目漱石〉四「岨の景色を半分庭へ囲ひ込んだ一構であるから」
[2] 〘他マ下二〙 (一)に同じ。
※林葉集(1178)秋「我が宿に囲ひこめずは大かたの野もせに満てる荻かとや見ん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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