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国立メディア芸術総合センター(仮称) こくりつめでぃあげいじゅつそうごうせんたー(かしょう)

知恵蔵の解説

国立メディア芸術総合センター(仮称)

文部科学省(文化庁)が計画を推進している「メディア芸術の国際的な拠点の整備」を目的とした総合施設。別称「アニメの殿堂」。世界から「ジャパン・クール」と評価が高いマンガやアニメなど、主に国内のメディア芸術を包括的に集約・展示し、海外に発信することを目指す。また同省および政府は、外国人観光客の誘致、メディア芸術産業の成長による経済効果も見込んでいる。
政府首脳によると、安倍内閣時代に構想が持ち上がり、福田政権下の2007年12月に閣議決定されたという。08年7月、文化庁が「メディア芸術の国際的な拠点の整備に関する検討会」を設置。検討会は同年8月4日以降、計6回の会合を重ね、09年4月28日に計画案をまとめた。その報告書によると、東京都内に地上4~5階建てのセンターを建設。有力候補地は東京臨海副都心(お台場)。運営は、独立行政法人「国立美術館」が民間に委託し、年間入場者60万人を目標としている。だが、展示物の具体的な中身は決まっていない。
これを受け、政府は平成21年度の補正予算案に同事業費として117億円を計上。しかし、戦後最悪と言われる不況下でのハコモノ施設への巨額の支出に対し、野党からは政府の典型的な「ばらまき」「無駄遣い」と批判が集中した。「国営マンガ喫茶」「(アニメ好き麻生)首相の肝いり施設」などと揶揄(やゆ)する声も出て、2~3年内という完成予定は不透明になりつつある。漫画家の意見も「風刺から始まったマンガが国の認可の下に展示されるのは疑問で、つまらない施設になる」(石坂啓)、「ハコモノと天下りが残るのは最低のギャグ」(牧村しのぶ)などと冷ややかだが、一方「貴重なマンガの原画を保存するにはハコモノ施設が必要」(里中満智子)と歓迎する意見もある。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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