国見岳(読み)クニミダケ

デジタル大辞泉 「国見岳」の意味・読み・例文・類語

くにみ‐だけ【国見岳】

熊本県宮崎県の県境にある山。九州のほぼ中央、九州山地北部に位置する。標高1739メートルで、同山地および熊本県の最高峰。緑川・川辺かわべ川(熊本県)・耳川(宮崎県)などの分水界。南にある小国見こぐるみに対して、大国見おおぐるみという。

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日本歴史地名大系 「国見岳」の解説

国見岳
くにみだけ

椎葉村と熊本県八代やつしろいずみ村の県境に位置する山。標高一七三八・八メートルで、県内では祖母そぼ山に次いで高い。九州山地の脊梁を構成し、北はたか(一五六三・二メートル)三方さんぽう(一五七七・五メートル)に、南は五勇ごゆう(一六六二メートル)烏帽子えぼし(一六九一・七メートル)に連なる。五勇山とのほぼ中間に小国見こぐるみ(一七〇八メートル)がある。山頂部の尾根筋が比較的緩傾斜なのに対し中腹以下は急傾斜面で、早壮年期の山容を示す。南東部は耳川、南西部は球磨くま川、北部はみどり川のそれぞれ源流部である。地質は古生代から中生代にかけての二畳・三畳系の粘板岩・千枚岩・砂岩礫岩・チャートからなる。

国見岳
くにみだけ

[現在地名]福井市奥平町

西は日本海、北は福井平野、東は福井市を眺望でき、南は丹生山地の山々が続く。標高六五六・一メートル。「越前地理指南」に「西ニ国見ケ嵩と云山アリ」とあり、「足羽社記略」に「国見嶽大塚土台、高一丈五尺余、環二丈余、築以石也、上有数十囲之椋木、疑ラクハ之城堡云者也乎」と記す。

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改訂新版 世界大百科事典 「国見岳」の意味・わかりやすい解説

国見岳 (くにみだけ)

九州山地の中央部,宮崎・熊本両県境に位置する山。標高1739m。地質は古生層からなり,北の三方山(1578m)から南の烏帽子岳(1692m)にかけて稜線が連なり,耳川と球磨(くま)川の支流川辺川の分水界をなす。九州の屋根と呼ばれる急峻な山地で,東の宮崎県椎葉(しいば)村,西の熊本県八代市の旧泉村五家荘(ごかのしよう)はともに中世の落人村と伝えられる。山頂からは北の阿蘇山,南の霧島山など遠方の山々をのぞむことができる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国見岳」の意味・わかりやすい解説

国見岳
くにみだけ

熊本県東端、宮崎県境にある山。九州山地北部に属する高峰(1739メートル)で、片麻(へんま)岩からなり、緑川、川辺(かわべ)川、耳川などの分水界をなす。熊本県の最高峰で、山頂は南の小国見と主峰の大国見に分かれ、穏やかな山容を呈しているが、深いV字谷、うっそうとした林相が長年にわたって人の往来を疎にさせ、秘境とされてきた。その林相は山頂付近のブナ帯から標高を下げるにしたがって増えるツガ、モミ、やがて照葉樹林へと変わる。森林資源の開発を意図した林道の開設、延長は、これらの原生景観の存続地域を山頂や尾根付近にとどめてしまっただけでなく、ツクシシャクナゲ、ハクウンボクの群落や、ヤマネ、クマタカの生息地の多くを破壊してしまっている。山懐に抱かれていた小集落も統合移転や挙家離村によって、廃屋化が目だっている。

[山口守人]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国見岳」の意味・わかりやすい解説

国見岳
くにみだけ

熊本,宮崎県境にまたがる九州山地中の山。九州山地の最高峰で標高 1739m。ブナ,モミ,カエデなどの原生林が茂り,山頂からの眺望はすばらしい。特別天然記念物カモシカが生息。一帯は九州中央山地国定公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「国見岳」の解説

国見岳

(福井県福井市)
ふるさと福井の自然100選」指定の観光名所。

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