国際金融ファシリティ(読み)こくさいきんゆうふぁしりてぃ(英語表記)International Finance Facility

日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際金融ファシリティ」の意味・わかりやすい解説

国際金融ファシリティ
こくさいきんゆうふぁしりてぃ
International Finance Facility

国連ミレニアム開発目標を達成するための資金メカニズムの一つ。略称IFF。ODA援助国(ドナー)政府の保証付き債券を発行し、開発のための資金を前倒しで調達する仕組みで、2003年にイギリスが提案して始まった。2006年には最初の取り組みとして「予防接種のための国際金融ファシリティ(IFFIm:International Finance Facility for Immunisation)」が設立された。このIFFImが、アフリカや南アジアなどの途上国の子供の命を救うための官民パートナーシップGAVIアライアンス(GAVI Alliance。GAVI:Global Alliance for Vaccines and Immunisation)」を資金面で支え、2012年時点でワクチン不足に悩む約70か国に対し、長期的な視野からの援助を行っている。IFFImに参加しているドナー国はイギリス、フランス、イタリア、ノルウェーオーストラリア、スペイン、オランダスウェーデン南アフリカ共和国の9か国である。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の国際金融ファシリティの言及

【国際金融市場】より

…今日,ロンドンはユーロダラー市場の中心地であり,パリやフランクフルトにも活発なユーロカレンシー市場が存在する。その結果,ドル金融をロンドンに奪われたアメリカは,非居住者間の金融取引に租税や為替管理上の特典を与えているオフショア・センターoffshore centerとして,1981年ニューヨークに国際金融ファシリティInternational Banking Facilities(略称IBF)を設立した。またオフショア・センターはバハマ,ケイマン諸島,パナマ,バーレーンなどがタックス・ヘイブン(租税回避地)として,またアジアダラー市場としてはシンガポール,香港が急速に発展してきている。…

※「国際金融ファシリティ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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