土山孝之(読み)つちやま・たかゆき

朝日日本歴史人物事典 「土山孝之」の解説

土山孝之

没年:天明7.12.5(1788.1.12)
生年:元文5(1740)
江戸中期の旗本,勘定組頭。父孝祖,母は土山氏の娘。父も勘定組頭。勘定に列して以来,勘定所生え抜きの役人田沼意次政権の蝦夷地開発計画に参画,狂歌師平秩東作に密命,蝦夷地を調査させた。田沼失脚(1786)後,富士見宝蔵番頭に転ず。遊女を妾とし,娘の病死を隠して親族書を偽り,前職在任中に買い米の公金横領,幕府追及を逃れて逐電(武州山口観音〈埼玉県所沢市〉に隠れた)の段不届きと,死罪に処せられた。大田南畝ら天明狂歌壇のパトロン的存在で,愛妾誰袖も狂歌を詠む遊女として知られる。

(山田忠雄)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「土山孝之」の解説

土山孝之 つちやま-たかゆき

1740-1788* 江戸時代中期の武士
元文5年生まれ。幕臣。勘定組頭。田沼意次(おきつぐ)の蝦夷(えぞ)地開発計画に参加,狂歌師初代平秩東作(へずつ-とうさく)をひそかに蝦夷地に派遣した。また大田南畝(なんぽ)ら天明期の狂歌師を援助した。天明7年12月5日死去。48歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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