20世紀日本人名事典 「土田 杏村」の解説
土田 杏村
ツチダ キョウソン
大正・昭和期の思想家,評論家
- 生年
- 明治24(1891)年1月15日
- 没年
- 昭和9(1934)年4月25日
- 出生地
- 新潟県佐渡郡新穂村(佐渡島)
- 本名
- 土田 茂(ツチダ ツトム)
- 学歴〔年〕
- 京都帝大文科大学哲学科〔大正7年〕卒
- 経歴
- 新潟師範から東京高師、京大哲学科、さらに大学院に進み、大正11〜12年信州自由大学で連続講義を行った以外、教壇とも職業とも無縁で、生涯、思索と執筆に生きた。大正3年東京高師の校友会誌に発表した論文集「文明思潮と新哲学」を刊行。ついで、4年評論集「文壇への公開状」を刊行し、田中王堂の激賞をうける。8年に思想、文化、社会問題を総合的に論究する雑誌「文化」を創刊、中絶の後10年復刊、14年まで月刊を続けた。著作は毎年刊行し、人生論、人間論、社会哲学、文化哲学、現代思想批判、道徳、教育、宗教、経済、社会理論、文明批評、国文学、文学論、歌論、芸術史、日本精神史など深くかつ多岐にわたり、43年の病弱な生涯に60冊に及んだ。昭和4年には河上肇のマルクス主義を批判、晩年は国家主義に傾いた。主な著書に「象徴の哲学」「霊魂の彼岸」「マルクス思想と現代文化」「文化主義原論」「華厳哲学小論攷」「国文学の哲学的研究」(全4巻)「マルキシズム批判」「文学理論」など、「土田杏村全集」(全15巻 第一書房 復刻版・日本図書センター)がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）20世紀日本人名事典について 情報