朝日日本歴史人物事典 「坂東三津五郎(2代)」の解説
坂東三津五郎(2代)
生年:寛延3(1750)
江戸中・後期の歌舞伎役者。俳名仙花など。関西の生まれ。初名尾上藤蔵。京都で子役から修業ののち,安永3(1774)年江戸に下り,紋三郎と改名,初代坂東三津五郎の弟子となって頭角をあらわす。天明2(1782)年初代が没したとき,実子が若年だったため2代目を継いで立身したが,寛政11(1799)年,師の子初代簑助が25歳になったので,名跡を返還し2代目荻野伊三郎を名乗る。これからが真の活躍期で,享和3(1803)年には河原崎座で初の座頭となった。芸風は師の和事,実事を継ぎ,荒事,所作もよくした。80歳の高齢で没した。
(井草利夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報