坂田半五郎(初代)(読み)さかた・はんごろう

朝日日本歴史人物事典 「坂田半五郎(初代)」の解説

坂田半五郎(初代)

没年享保20.4.23(1735.6.13)
生年天和3(1683)
江戸前期の歌舞伎役者。2代目坂田藤十郎の門弟屋号正月屋,俳名杉暁。田舎芝居の立者から江戸の大芝居に進出した。敵役,実事から実悪に転じ,実事,荒事,敵役をはじめとして愁嘆事,男伊達などをよくしたが,特に実悪を本領として上手と評せられた。出世芸となった朝比奈三郎を代表として,当たり役に鎌田正清,横川覚範,安倍貞任,佐藤忠信などがある。江戸市村座の舞台上で没した。坂田半五郎の名跡は明治まで5代を数えるが,4代まではいずれも実悪をもって名を著し,特に2代目半五郎がこの名跡を確固たるものとした。

(池上文男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「坂田半五郎(初代)」の解説

坂田半五郎(初代) さかた-はんごろう

1683-1735 江戸時代中期の歌舞伎役者。
天和(てんな)3年生まれ。2代坂田藤十郎の門下正徳(しょうとく)3年江戸中村座に立役(たちやく)として出演,享保(きょうほう)4年朝比奈三郎(義秀)役の荒事(あらごと)で名をあげ,9年実悪(じつあく)に転じ上手と評された。享保20年4月23日市村座の舞台で死去。53歳。俳名は杉暁。屋号は正月屋。

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