坏・杯(読み)つき

精選版 日本国語大辞典 「坏・杯」の意味・読み・例文・類語

つき【坏・杯】

〘名〙 土器の形の一つ。古墳時代以降、奈良平安時代にかけて使用された皿形の容器で、盤(ばん)よりやや深いもの。蓋(ふた)のある蓋坏、蓋のない片坏の二種があるが、土師器・須恵器それぞれ作られている。酒坏のほか食物などを盛るのに使用されたことが「延喜式」にみられる。
万葉(8C後)三・三三八「験(しるし)なき物を思はずは一坏(つき)の濁れる酒を飲むべくあるらし」
源氏(1001‐14頃)梅枝「沈の箱に、瑠璃のつきふたつすゑて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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